●S&P、利下げ生保は債務不履行で格下げに(2002年11月25日)
 金融庁が法改正を検討中と言われる既契約の予定利率引き下げ措置に関し、格付け会社S&Pは要旨次の見解を発表。
 日本の生保会社が保険契約者に保証している既契約の予定利率引き下げを実施した場合、契約上の債務不履行と解釈すべきとの見解を改めて示す。仮に法改正を経て生保会社が既契約の予定利率引き下げ計画を公表した場合には、直ちにその生保会社の保険財務力格付けおよびカウンターパーティ格付けを格下げの可能性ありとして、「クレジットウォッチ」に掲載する。掲載後、引き下げが確実となった場合、詳細情報を入手したうえで、保険財務力格付けおよびカウンターパーティ格付けをトリプルCもしくはダブルCのカテゴリーに格下げする。
 さらに、引き下げ後の新予定利率の発行日をもって既契約にに対する債務不履行が発生したとみなし、カウンターパーティ格付けをSD(選択的債務不履行)に引き下げる。予定利率の引き下げと同時にその保険会社に関わるその他の債権者にも影響が及び、事実上の債務条件変更または債務不履行が生じた場合には格付けをDに引き下げる可能性もある。なお、当該生保会社が規制当局の監督下に置かれた場合にはカウンターパーティ格付けをSDもしくはDとする一方で、保険財務格付けをRに引き下げる。

 
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